コロナ禍によってテレワークの普及が進み、オンライン会議(WEB会議)を導入・活用する企業が増えています。今や当たり前となり、専用のシステムやツールも数多く提供されていますが、使い方や目的を十分に考えずに選ぶとかえって使いにくく、会議の質が低下する恐れもあります。
今回はオンライン会議の種類やメリット、また導入する際のポイントを解説します。
オンライン会議(WEB会議)とは
オンライン会議(WEB会議)とは、インターネットを通して遠方にいる相手とビデオ通話ができる会議です。インターネット環境があれば離れた場所にいても、パソコン・スマートフォンを使ってリアルタイムで会議や商談を行うことができます。
オンライン会議システムの種類
オンライン会議(WEB会議)システムには、オンプレミス型、クラウド型、ブラウザ型の3種類があります。まずここでは、それぞれのオンライン会議システムの特徴について紹介します。
オンプレミス型
オンプレミス型は、外部のネットワークを使わずに自社で構築したサーバーを介して通信が行われるオンライン会議システムです。データのやり取りが社内だけで完結するので、高度なセキュリティ環境の中でオンライン会議が行えるメリットがあります。ただし、サーバーを構築するまでに時間と一定の費用がかかる点、サーバーを管理する手間が発生する点は留意する必要があります。
クラウド型
クラウド型は、システム提供会社のサーバーを介してオンライン会議(WEB会議)を行うシステムになります。自社でサーバーを構築する必要がないため、低コストで素早く導入でき、サーバーを管理する手間もありません。オンプレミス型と違い、社外ネットワークとつなげるため、高度なセキュリティが担保されるわけではありません。代表的なクラウド型のオンライン会議システムとしては、ZoomやSkypeが挙げられます。
ブラウザ型
ブラウザ型は、専用のアプリやソフトウェアをインストールする必要はなく、普段使っているGoogle ChromeやSafariといったWEBブラウザでオンライン会議を行うことができます。共有されたURLからオンライン会議に参加することもできます。クラウド型を上回る手軽さが魅力です。ブラウザ型としては代表されるものはGoogle Meetがあります。
WEB会議でできること
それでは実際にオンライン会議(WEB会議)はどのように活用されているのでしょうか? オンライン会議でできることとして、会議・打ち合わせ、商談・面接、ウェビナー(WEBセミナー)の3つを紹介します。
会議・打ち合わせ
1対1の打ち合わせから複数の拠点をつないでの会議まで大小かかわらず、オンライン会議は活用されています。ただし、参加人数など規模によって最適なツールが異なるので使い分ける必要があります。
たとえば1対1のミーティングなら無料のオンライン会議システムでも十分に役割を果たすでしょう。画面共有機能を活用すれば、会議資料を参加者全員が共有でき、またリアルタイムで資料に書き加えながら会議を進行することもできます。このように離れた拠点同士でスムーズに会議・打ち合わせを行えることがオンライン会議のメリットです。
商談・面接
オンライン会議システムはオンライン商談にも活用されています。対面営業と同様に資料や商品のデモを顧客に見せながらコミュニケーションがとれます。遠隔地や海外にいる見込み客に対して、訪問するための時間やコストを削減して、効率的な営業活動が可能となります。受注確度や出張費とのバランスで訪問に消極的にならざるを得なかった地方へも積極的にアプローチできます。採用面接においても、コストを削減し地方の人材を面接しやすくなるので、オンライン会議を活用する企業が増えています。
ウェビナー(WEBセミナー)
WEBを通して行われるセミナー、いわゆるウェビナーでもオンライン会議システムは使われています。セミナー会場を必要としないため費用が最小限で済み、参加者側も気軽に参加しやすいメリットがあります。リードナーチャリングといわれる、不特定多数の見込み客の育成を効果的かつ効率的に行うことができます。リアルタイムで参加できなかった人が後日視聴することができるのもウェビナーの特長です。
オンライン会議とテレビ会議の違い
オンライン会議(WEB会議)と並んで、遠方の相手と会議を行うツールとしてテレビ会議があります。会議室に専用の回線と専用の機器(モニター・カメラ・スピーカーフォンなど)を設置する必要があります。画像・音声は高品質、回線は専用回線なので安定します。
ただし、つなげる拠点ごとに機材を設置するため大きなコストがかかります。ネット環境とパソコン・スマートフォンがあればどこでも使えるオンライン会議のような気軽さはありませんが、役員会など重要な会議には向いています。
WEB会議の利用が増えている背景
オンライン会議(WEB会議)を導入する企業が増えた背景として、働き方改革への取り組み、コロナ禍の影響によるテレワークの浸透、ICTの発達によるオンライン会議専用のシステム・ツールの普及などが挙げられます。
在宅勤務をはじめとしたテレワークは働き方改革の一環として推進されていましたが、新型コロナ感染症が大きな転機となり感染対策としてテレワーク導入が一気に前進しました。そしてオンライン会議も導入が加速した経緯があります。安価・無料で気軽に使えるオンライン会議専用のシステム・ツールの普及が進んだことも拍車をかけました。
オンライン会議を導入する効果とメリット
ここではオンライン会議(WEB会議)を導入することで得られる効果やメリットを紹介します。
どこでも会議ができる
繰り返しになりますが、オンライン会議に必要なものは、インターネット環境とパソコン・スマートフォンなどのデバイスだけです。それらが揃ってさえいれば、場所を選ばずに会議を行えます。オフィスだけでなく、自宅やカフェ、サテライトオフィスなどでも会議に参加できます。
業務効率化を期待できる
会議に必要な資料やデータをパソコンのデスクトップ上にあらかじめ準備しておけば、参加者と画面共有することができます。資料を印刷したり配布したりする手間が省けて、従業員の負担を減らして業務効率を向上させることができます。
手間とコストを削減できる
対面の会議のように特定の場所に集まる必要がないため、交通費や宿泊費、移動に要する時間を削減することができます。見込み客との商談においても同様に経費と時間を削減できます。またウェビナー(WEBセミナー)やオンライン面接にすれば会場費も不要になります。
コミュニケーションの活性化につながる
オンライン会議は、出張をせずとも離れた拠点同士で会議ができるので、勤務地の異なる従業員間でコミュニケーションが図りやすくなります。同じ拠点であっても、他の部署やリモートワークなどでなかなか顔を合わせる機会が少ない同僚とのコミュニケーションも活性化しやすくなるでしょう。これは顧客との関係構築においても同じことがいえるでしょう。
情報共有と意思決定を迅速に行える
社内にいなくてもインターネット環境さえあれば自宅や外出先でも会議に参加できるので、会議出席者の間での情報伝達・情報共有が迅速に行えます。また社内の責任者もどこにいても会議に参加できます。多忙のため会議に欠席して重要な決断が下せないというケースも減るので、組織の中での意思決定が迅速に行えます。
オンライン会議(WEB会議)導入前の準備
ここではオンライン会議(WEB会議)を導入するにあたり、どのような準備が必要か紹介します。重要なポイントはオンライン会議に適した環境の整備にあります。特に「映像」と「音声」については、オンライン会議運営の成否に大きく関わってきます。
環境の整備
ネットワーク環境はできる限り安定性の高いものを構築する必要があります。オンライン会議で使うパソコンやモバイルデバイスにカメラやマイクなどの機能は、会議室の広さや参加人数によっては専用のカメラやスピーカーフォンを揃えなければなりません。
重要なポイントは「音」への対策です。オフィスの真ん中にオンライン会議用のスペースがあると会議での会話が耳に入って他の従業員の仕事を妨げかねません。逆に周囲の物音・会話で会議参加者が会議の内容を聞き取れなくなる可能性もあります。オンライン会議用スペースは「音」対策に配慮した場所に設置されるべきでしょう。最近は遮音性の高い個室ブースに注目が集まっています。
会議システムの導入
参加人数や使用状況を十分に考慮して、最適なオンライン会議システム・ツールを選定しなければなりません。商談やウェビナー(WEBセミナー)、オンライン面接など社外の人とのオンライン会議が多い場合は、相手が使いやすいシステム・ツールを選ぶべきでしょう。ネットワークに接続して会議を行うので情報漏洩防止の観点からセキュリティ面も十分に配慮する必要があります。
目的や使い方に合わせて快適な会議環境を整えよう
オンライン会議(WEB会議)を導入することで、場所に縛られることなく仕事し、業務の効率化を図れ、また手間・コストを削減でき、情報共有や意思決定の迅速化が実現できるでしょう。しかしオンライン会議をスムーズに運営するためには自社の目的や使い方に適した環境を整える必要があります。ここで紹介した内容を参考にオンライン会議のシステム・ツールを揃えてみてはいかがでしょうか。また「音」への対策を考慮した環境づくりのために、遮音性の高い個室ブースの設置を視野に入れておくのも一つでしょう。
AQレントのレンタルサービスを活用すれば、オフィス内に集中して業務できるワークブースを、初期費用を抑えて導入することができます。