オフィスの新設や移転時には従業員が快適に働けるよう、正しいオフィス家具選びが重要です。そのひとつがオフィスチェア(事務椅子)です。最近ではテレワークの普及により、自宅でもオフィスチェアを使われる方が増えてきています。
今回はこれからオフィスチェアを購入される方向けに、事前に知っておきたい椅子の種類や機能を紹介します。おすすめのオフィス家具メーカーやその特徴もお伝えするので、ぜひオフィスチェアを購入するときの参考にしてください。
オフィスチェア選びで知っておくべき椅子の種類と機能
オフィスチェアを選ぶとき、まずは背もたれや座面の素材などをしっかり確認するようにしましょう。ここでは種類や機能などを説明していきます。
バックレスト(背もたれ)
オフィスチェアの背もたれは、高さにより「ローバック」「ミドルバック」「ハイバック」の3種類に分けられます。
ローバック
背もたれが低いため、部屋に置いた際の圧迫感が少ないですが、長時間の使用にはあまり向いていません。価格的には安価なものが多いです。
ミドルバック
ハイバックよりも価格を抑えながら、ローバックよりも座り心地を出したタイプのものです。
ハイバック
背もたれが大きく長時間座っても疲れにくいですが、部屋の中でかなり圧迫感が出ます。また高価なものが多いです。
ロッキング(リクライニング)
ロッキングとは、背もたれに寄りかかったときに背もたれが倒れる機能です。このロッキングにも種類があります。
背ロッキング
バックレストだけが後ろに倒れるシンプルな機能で、多くのオフィスチェアに備えられています。
背・座ロッキング
バックレストと座面が一体になっています。それぞれがバラけることなく、同じ角度で傾きます。
シンクロロッキング
バックレストと座面がそれぞれ可動するハイスペックな仕様です。高い機能性を備えているので他に比べるとやや高額です。
アームレスト(肘掛け)
アームレストは、腕や肘を載せることで負担を軽くできるほか、作業姿勢をサポートしてくれるなど、さまざまな利点があります。上下や左右に可動させることで、自分好みに調整できるタイプも多く発売されています。ただし、肘掛け部分がデスクの高さに干渉して、椅子が机の下に入らなくなることがあるので、デスク下のスペースに余裕があるか確認することも重要です。
ヘッドレスト
ヘッドレストは、後頭部をすっぽりサポートすることで正しい姿勢の助けとなるものです。背もたれとヘッドレストに体重を預けて座ると程よくリラックスでき、身体への負担も軽減されます。
張地の素材
座面やバックレストなどの張地もオフィスチェアならではの特徴があります。見た目だけでなく、触り心地・フィット感・通気性などにもそれぞれ特徴があります。座り心地も異なるので、ご希望の価格帯や好みでお選びください。
脚の素材
オフィスチェアの脚にも種類があります。金属製のものは全体に高級感やデザイン性を演出することができ、樹脂製のものは金属製に比べて軽いため、移動が容易で安価なものが多いです。
ランバーサポート
腰をサポートする機能のひとつで、ランバーサポートというものがあります。製品によってサポートの仕様も異なるので、実際に座ってみて自分に合ったものを見つけるのがよいでしょう。
座面の回転・移動用キャスター
ほとんどのオフィスチェアに付いている座面の回転機構や移動用キャスターの役割について、簡単に解説します。オフィスワークでは、打ち合わせに行ったり、書類を取りに行ったりなど、立ったり座ったりという動作が多くあります。その場合、座面の回転機構と移動用キャスターの組み合わせで、仕事時の立ち座り動作が素早く軽快にできるようになっています。これを4本脚のダイニングチェアなどの椅子でやってみると、いかにオフィスチェアが優れているかがわかります。
高さ・上下調整
座面の上下調節機構は、身体に椅子を合わせるための仕組みです。椅子の高さは基本的に、座ったときにかかとが床につくように調整されていますが、人によっては机上面の位置が高すぎると感じてしまうことも多いです。そのため、足が少し浮いても椅子の高さを少し高めにして使うケースもあります。逆に大柄な人の場合は、身体に合わせて椅子を高く設定すると、今度は机上面の位置が低すぎると感じることになります。本来は体格に合わせて、椅子だけではなく机上面の位置を調整できることが望ましいのです。
最近は、メーカー各社から高さを調節できる上下昇降デスクが発売されています。そうした上下昇降デスクであれば、机を体格に合わせて高さ調節して働きやすくするという使い方もできます。
椅子の種類や機能以外もチェック! オフィスチェアの選び方
オフィスチェアを選ぶときには座り心地や機能性を重視します。しかし、自宅でオフィスチェアを使用する場合は、部屋にあるインテリアとの相性やサイズなど、オフィスチェアを選ぶ際のポイントを把握しておくことが大切です。
オフィスのデザインやインテリアに合うか
オフィスチェアの代表的な素材には、ファブリック・メッシュ・レザーの3つが挙げられます。
ファブリック
親しみやすく、色も豊富で部屋のイメージに合いやすいものが多いです。
メッシュ
通気性が良く人気の素材で、スタイリッシュなイメージ。
レザー
重厚感があり、汚れに強く手入れが簡単。
自宅では、オフィスのようにデスクやチェアを並べて統一感を出すことができないので、部屋をどのような雰囲気にしたいかによって、好みの素材を選ぶとよいでしょう。
デスクや身体に合うか
オフィスチェアを選ぶときは、デスクや座る人との相性も考慮することが必要です。そのため、チェアのサイズやサイズ表記に関する知識は重要です。
座面サイズ
座面サイズは、椅子を正面から見たときの奥行きです。オフィスチェアの座面部分は、快適さを保つために平らではありません。座面部分に傾斜をつけたりクッションを厚めにしたりして、座り心地が良くなるように工夫されています。
差尺
差尺とは、椅子の座面からデスクの高さまでの距離のことです。オフィスデスクでは、この差尺は29〜30cmあたりがちょうど良いとされています。差尺が大きくなると、手の位置が上になり疲れるため作業しづらくなります。差尺が小さければ前傾姿勢となり、肩や首が凝って疲労が強くなってしまいます。
収納
オフィスチェアを使用しないときは、デスクの下部分に収納すると邪魔になりません。しかし、デスクやチェアの幅や高さが合っていないと収納できないため、確認が必要です。
人気メーカー・おすすめブランドの特徴
ここからは、オフィス家具を取り扱っている人気メーカーの特徴をお伝えします。
オカムラ
オカムラは、1945年に航空機製造の技術者を中心に創業されたメーカーです。オフィスチェアの製品ラインナップが豊富で、用途や目的に合わせた製品を選ぶことができます。国内外で多数のグッドデザイン賞を受賞しており、使う人を選ばない優れた機能性と美しいデザイン性が特徴です。
エルゴヒューマン
エルゴヒューマンは2005年に誕生した、人間工学に基づく高機能チェアを取り扱うメーカーです。座る人の体型や作業シーンに合うように、チェア自体の調整機能が多数搭載されています。シリーズのすべてが、座面下の「ハイブリッドレバー」1本で、座面の高さと奥行・リクライニング調節をできる仕様になっています。
コクヨ
コクヨは、オフィス内のデスクチェアなどを展開する、創業1905年の総合オフィス家具メーカーです。コクヨのオフィスチェアは、多機能でありながらリーズナブルな製品を多くラインナップしています。予算に合わせて選べるのも魅力です。ハイエンドシリーズには、座面が360度動く「グライディング機構」が搭載されています。
ハーマンミラー
ハーマンミラーは、1923年に創業された、アメリカの人気オフィス家具メーカーです。多機能かつスタイリッシュなモデルを多数ラインナップしているところが特徴です。前傾姿勢対応機能があったり、ロッキングの強弱調整を細かく行えたりと、ワークを快適にするための機能が豊富です。
用途や身体に合った椅子選びならオフィス家具レンタルもおすすめ
オフィスチェア・椅子も含めてオフィス家具は使う目的や使う人に適したものを選ぶことが大切です。ただしオフィス新設時や移転時は一度に多くのオフィス家具を購入する必要があるので、なるべく費用を抑えたいところ。そんな時におすすめなのがオフィス家具のレンタルサービスです。
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