働き方改革や新型コロナウイルス感染症への対策の一環として、オンライン会議の導入が急速に進んでいます。オンライン会議を使いこなすことによって多くのメリットが生まれますが、デメリットについても理解しておかなければなりません。
この記事では、オンライン会議とは何か、メリットとデメリット、オンライン会議システムの選び方のポイントについて詳しく解説をします。
オンライン会議（Web会議）とは
オンライン会議とは、ネットワーク技術を使って離れた場所にいる人と会議を行うことです。
ネットワーク環境とPCやタブレット端末、スマートフォンさえあれば、誰でも簡単に会議を開催できるのが最大の特徴です。
オンプレミス型/クラウド型の違い
オンライン会議はサーバーの違いによって、「オンプレミス型」と「クラウド型」の2つの種類に分けられます。
オンプレミス型は、外部のネットワークを使わず自社にサーバーを設置するため、セキュリティに優れていることが特徴です。ただし初期投資が必要で、導入までに時間と費用がかかるので注意が必要です。また、サーバー構築・管理に関する一定以上のスキルが求められます。
オンプレミス型に対して、現在主流のクラウド型は外部のサーバーを使います。基本的に初期投資の必要がなく、低コストでスピーディーに使用を開始できるのが特徴です。サーバー管理は外部業者に任せられるのでメンテナンスの手間もかかりません。
オンライン会議が普及している理由
オンライン会議を導入する企業は、近年急速に増えています。その理由について詳しく解説します。
働き方改革の推進
働き方改革に対応した多様な働き方を実現するために、テレワークを導入する企業が増えてきました。オンライン会議は何らかの事情で出社ができない人でも、自宅にいながら場所を選ばずに参加でき業務効率化につながります。
また顔を見ながらリアルタイムで会話ができるため、テレワーク中のコミュニケーションをとるのにも活用されています。
感染症対策
コロナウイルス感染拡大によって在宅勤務が推奨されたのも、テレワークを取り入れる企業が急激に増えた要因です。それに伴い、コミュニケーションツールとしてオンライン会議が注目されるようになりました。
またオンライン会議システムは、テレワーク中の業務進捗の報告や新規採用時の面接にも広く活用され、会社内のディスタンス確保に効果を発揮しています。
オンラインによる営業の広がり
オンライン会議が急速に普及した理由には、高速通信技術の進歩と、PCやスマホなどのデバイスが広く普及したことも挙げられます。これにより従来は対面型が主流だった「営業」の考え方も多様化し、会議や商談をリモートで行う企業が増加したことが追い風になっています。
オンライン会議のメリット
オンライン会議を導入することで、企業にはさまざまなメリットがあります。ここでは6つのメリットを紹介します。
場所を選ばず会議ができる
オンライン会議は一箇所に集まる必要がないため、会議の場所を確保する必要がありません。ネットワーク回線さえ繋がっていれば、地方や海外にいる社員ともPCやスマートフォンで簡単に会議ができ、移動の時間や経費の削減になります。
会議資料の準備の簡素化・ペーパーレス化を見込める
従来の対面での会議では、事前に会議資料を印刷して配布する必要がありました。しかしオンライン会議では、資料はデジタル化してメールやチャットで配布しておけます。また、画面を共有しながら会議を進めることができ、ペーパーレス化を見込めます。
時間とコストを削減できる
オンライン会議は、場所を選ばずに開催することができます。会議のたびに出張や移動をする必要がなくなるので、移動時間や交通費、宿泊費のコストを削減できます。またペーパーレス化で用紙代やコピー代の削減にもなります。
コミュニケーションの活性化
離れた勤務地の社員同士やテレワークの社員とのコミュニケーションにも、オンライン会議は一役買います。朝礼やミーティング、研修やカウンセリングなどを場所にとらわれずに行えるので、社員のコミュニケーション活性化に繋がります。
また、通常の会議では威圧感を感じて発言をしにくい立場の社員であっても、オンライン会議なら基本的に席次を気にする必要がありません。フラットな雰囲気で発言をしやすくなり、会議の進行スピードも速くなるでしょう。
スピーディーな意思決定ができる
急な意思決定が必要になった時に、通常の会議だとメンバーが揃わずスムーズに開催できない場合があります。しかしオンライン会議ならその場にいなくても会議に参加できるので、スピーディーな意思決定が可能になります。
多様な働き方の推進につながる
多様な働き方を実現するため、テレワークを推進する企業が増えました。オンライン会議を利用すれば、自宅にいながら社内会議や営業先との商談が可能になります。こうしてオンライン会議によって、より効率的な働き方ができるようになってきています。
オンライン会議のデメリット
たくさんのメリットがあるオンライン会議ですが、一方で問題点についても理解しておかなければなりません。ここではオンライン会議のデメリットについても解説します。
通信状況の影響を受けやすい
オンライン会議はインターネットの回線状況（またはサーバーの稼働状態）が悪いと、音声や映像が途切れるという問題点があります。これによって重要な情報を聞き漏らしてしまう可能性、または会議そのものが開始できない場合もあるので注意が必要です。
対策としては、会議を行う前に接続テストを行ったり、音声を優先して会議できるオンライン会議システムの導入を検討したりするのもおすすめです。
会議参加者の表情や雰囲気が伝わりにくい
対面で行う会議と比較して、画面越しで行うオンライン会議では相手の表情や雰囲気が読みにくくなってしまいます。細かいニュアンスが伝わりにくい場合には、ジェスチャーやチャットツールの利用も効果的です。
また、オンライン会議で相手に伝わる雰囲気は、使用しているデバイスのカメラ性能にも左右されます。画面に映る顔が見えにくい場合などは、照明やカメラの位置を変えることで一定の改善が可能です。
大人数の会議には適していない
オンライン会議システムは、少人数向けに作られているものが大半です。大人数の会議では発言者が誰なのか分かりにくかったり、映像枠が小さくなり画質が低下したりする恐れがあります。中には大人数での会議に対応したものもあるので、あらかじめ対応人数を確認しておくと良いでしょう。
発言者の画面を自動的に大きくしたり、特定の参加者を見やすく固定したりする機能も多くのオンライン会議システムに実装されているため、あらかじめ使い方に習熟しておけば大人数の会議にも対応しやすくなります。
対面会議やテレビ会議との違いは？
ここまでオンライン会議について解説してきました。従来行われてきた「対面会議」や、オンライン会議と比較されることの多い「テレビ会議」とはどのような違いがあるのでしょうか。それぞれ詳しく見ていきましょう。
対面会議との違い
従来行われてきた対面会議は、参加者全員が1箇所の会議室に集まって行います。そのため、参加者全員に会場までの移動時間と交通費がかかってしまいます。オンライン会議はネットワークに接続できればどこにいても参加できるため、移動の時間と費用がかかりません。
また、対面会議では資料の印刷や会議室の確保をする必要がありました。しかしオンライン会議の参加者はそれぞれの場所から参加し、資料はデバイス上で共有できるので、準備の手間やコストの削減ができます。
テレビ会議との違い
オンライン会議とテレビ会議はどちらも離れた場所にいる相手と会議を行うためのツールですが、その仕組みは大きく異なります。
テレビ会議は高品質でセキュリティの高い接続ができることが特徴です。しかし、設置した会議室内でしか会議ができません。また専用の機材と回線を設置する必要があり、導入コストが高くなるため導入は容易ではありません。
一方でオンライン会議は、PCやタブレットとネットワーク回線さえあれば、どこにいても簡単に会議を行うことができ、導入コストも安く済むため手軽に導入できます。
オンライン会議を導入するときのポイント
オンライン会議を導入するにあたって、どのようなことに注意して進めていけばいいでしょうか。スムーズに導入するためのポイントを押さえておきましょう。
オンライン会議の環境を整える
まずはネットワーク環境が整っているか確認をしましょう。通信速度に問題はないか、PCに接続するマイクやカメラは問題なく作動するかを事前にチェックしておくことが大切です。
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オンライン会議システムを導入する
オンライン会議ツールを導入します。参加人数や必要な機能、セキュリティ面を考慮し、適切なツールを選んでセットアップしましょう。
オンライン会議の接続テストやツールの動作確認を行う
オンライン会議に必要な準備が揃ったら、実際の会議を行う前に動作確認を行います。
事前にオンライン会議システムを起動して、画面表示や音声、録画・録音機能など、会議本番で使う機能の確認をしましょう。
会議のルールを決めておく
会議を始める前に、あらかじめ会議のルールを決めておく必要があります。発言者以外のマイクはミュートにする、資料の画面共有についてなど、会議の進行に合った具体的なルールを定めておきましょう。
オンライン会議の導入は通信環境とセキュリティ対策が重要
オンライン会議は多様な働き方を可能にし、社内のコミュニケーションの活性化、スピーディーな意思決定による業務の効率化に貢献するツールです。
この記事では、オンライン会議システムの数多くのメリットを紹介し、対するデメリットについても解説してきました。双方をよく理解した上で、企業に合ったオンライン会議システムを見つけて導入しましょう。
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