近年は感染症対策や働き方の多様化という観点から、ワークスタイルが大きく変化しました。企業での会議についても対面で行うことが減り、インターネットを利用したWeb会議の形をとるものが増えています。しかし、オフィス内でWeb会議に参加する場合、雑音や視線といった周囲の環境が気になることも多いでしょう。
今回は、そんなお悩みの解決策となる「集中ブース」の特徴や種類についてご紹介します。
Web会議の運用で起こる課題
最近ではすっかり一般的になったWeb会議の利用。会議場所へ集まる必要がなく便利なシステムですが、オフィス内からWeb会議に参加しようとすると、以下に挙げたような不安要素があるのではないでしょうか。
場所がない、一人で会議室を専有する
Web会議では発言を求められる場面や、周囲に聞かれたくない内容を扱う場合もあるため、なるべく自席ではなく別室から参加したいと思うこともあるでしょう。しかし複数人で使うための会議室を一人で使用すると、他にも使いたい社員がいる場合は予定がバッティングしたり、本来の社内会議のために使えなかったりといった不具合が出てきます。
周りの音や話し声が聞こえる
やむを得ず自席から参加する場合は、周りで仕事をしている社員の話し声や電話機、コピー機などの雑音が気になります。Web会議の相手にも周囲の音が伝わってしまうとお互いのストレスにもなります。
情報漏洩のリスクがある
さらにWeb会議上で扱う情報を外部に漏らしたくない場合、周りの人から画面が見えたり、音が漏れたりしてしまうような状況では集中できません。このような情報セキュリティの観点からみても、オフィスの自席からWeb会議に参加することは好ましいといえません。
社内でできる対策
ではこれまで挙げたような不都合を軽減するため、社内でできる対策にはどのようなものがあるでしょうか。
会議室の利用ルールを設ける
Web会議のために社員が会議室を利用する場合は、明確なルールを決めて運用しましょう。利用時間の上限や時間帯の枠を決めるなどして、事前に予約を入れておく方法をとれば、比較的多くの社員が効率よく会議室を利用することができます。
パーテーションを設置する
手軽に取り入れることができる対策として、パーテーションの設置という方法もあります。パーテーションによって周囲からの目線が届かないようなるほか、防音素材のものを導入すれば音漏れ対策にもなり、周りを気にせずWeb会議に参加することができます。
Web会議用に個室ブース(ワークブース)を導入する
オフィスの一角に個室ブースを導入すれば、パーテーションよりもさらにしっかりとした個室スペースを作ることができます。Web会議は一人で参加することがほとんどですので、こういった個室スペースがあれば会議室を埋めてしまうこともなくなります。
個室ブースを設置するメリットとは
近年は開放的なレイアウトを採用したフリーアドレス型のオフィスが増え、社員同士のコミュニケーションを活性化できる一方で、個人での仕事に集中しにくいといったデメリットも発生しています。
個室ブースはこのようなオフィスの問題を解消するスペースとして利用できます。以下でそのメリットを見ていきます。
会議スペース不足を解消できる
社員がWeb会議に参加する機会が一気に増えましたが、そのために会議室の数を増やすことは容易ではありません。しかし、個室ブースなら比較的簡単に設置して、会議スペースを増やすことができます。
騒音対策になる
個室ブースは防音性に優れているため、周りの音が気になりません。Web会議だけでなく、電話対応の際も周囲を気にせず相手との会話に集中できます。
セキュリティを強化できる
開放的なオフィスでは特に、仕事上で扱う機密情報が周囲に漏れるリスクが高く、常に周りを気にしながら仕事をしなければなりません。しかし個室ブースを利用すれば音漏れや画面の盗み見の心配がなくなり、安心して仕事に取り組むことができます。情報漏洩は会社の信用に関わる重要な問題ですので、しっかりした対策が望まれます。
一人で集中して仕事する環境として使える
Web会議や電話対応といった対外的な仕事だけでなく、一人で集中して取り組みたい作業の際にも個室ブースが活躍します。ブース内は照明や電源などの設備が整っているため、自分のPCや資料など必要な物だけを持ち込み、周囲の人の気配にとらわれずに作業に没頭することができます。
オフィスに設置する個室ブースの種類
仕事のために利用される個室ブースは、大きく3種類に分けられます。
フルクローズタイプ(ボックス型)
いわゆる「ボックス型」と呼ばれるフルクローズタイプの個室ブースは、床と壁、天井まですべて囲われた箱型のスペースです。密室状態になるため遮音性が高いことが特徴で、漏らしたくない機密を扱うWeb会議に参加するような場面に適しています。
セミクローズタイプ(半個室型)
「半個室型」とも呼ばれるセミクローズタイプの個室ブースとは、パーテーションで四面の壁がつくられ、天井と出入り口の部分が開いている状態のものをいいます。吸音パネルを使ったタイプが多く吸音性がありつつ、ボックス型のブースに比べて低価格で導入できる特徴があります。
オープンタイプ
オープンタイプの個室ブースは、3面の壁をパーテーションで囲ったもので、1面はオープンになっています。簡易的なタイプになるため設置は手軽で、ブースの外から声を掛けやすいといった特徴もあります。音漏れが気になる会議には向きませんが、視線を避けて作業をしたい場合などに便利です。
個室ブースのおすすめレイアウトや注意点
手軽に設置できて便利な個室ブースですが、社内のどこに設置しても良いというわけではありません。ここからは個室ブースの設置に適した場所について、ポイントごとにお伝えします。
人の出入りが少ない場所に設置する
通路や出入り口の付近は常に人の往来があるため、このような場所に個室ブースを設置することは控えましょう。通行の妨げになるばかりか、ブース内からも人の気配を感じて集中できない環境になりかねません。なるべく人通りのない場所に設置することで、個室ブースのメリットをさらに活かすことができます。
雑音の少ない場所に設置する
個室ブースの壁は防音効果を持っていますが、周りがガヤガヤと騒がしい中に設置してしまうと落ち着きません。周囲になるべく声や雑音がない場所に設置することで、より落ち着いて集中できる環境づくりを目指しましょう。
サイズや消防法の確認も忘れずに
個室ブースを設置する際には、社内に十分なスペースがあるのか事前に確認しておきましょう。いざ設置してみたら想像よりも圧迫感があった、業務スペースが狭くなってしまったという事態は避けたいところです。
また、既存の消防設備との兼ね合いによっては、所轄の消防署へ届け出が必要になる場合もあります。必要な手続きを確認したうえで導入しましょう。
個室ブースを活用してオンラインでのミーティングを快適に
今回ご紹介したように、個室ブースを導入するとWeb会議の対応に便利なだけでなく、社員の集中環境を確保して仕事の効率化につなげることもできます。クローズタイプやオープンタイプなど、種類によって特徴が異なるため、用途やスペースに合ったものを見つけて取り入れてみてください。
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