オフィスに備えるべき設備として、電話やパソコン、コピー機といったOA機器や事務用品は欠かせません。これらを全て一度に購入すると初期費用が膨大になってしまいますが、リースやレンタルのサービスを利用すれば安定的に設備投資することができます。ところで、リースとレンタルの違いはどこにあるかご存じでしょうか?
「物を借りて使用する」点では同じですが、両者には契約システムや料金設定など異なる点が多数あります。今回は、リースとレンタルの違いについて詳しくご紹介します。
リースとレンタルはどこが違う?
リースとは、利用者側が選んだ商品をリース会社が購入し、長期的に利用者に貸し出すサービスです。扱われるのは最新型や新品の商品が主流で、契約期間が長期に及ぶことが特徴です。
一方のレンタルは、レンタル会社がもともと所有している商品を利用者に貸し出すもので、商品は複数の利用者が使った中古品であることがほとんどです。レンタカーのサービスなどが分かりやすい例になります。
リースの仕組み
リースでは、まず利用者が希望の商品を選んでリース会社に申し込み、リース契約を結びます。その後リース会社が商品を購入し、利用者に受け渡します。ここから商品の利用とリース代金の支払いが始まります。
長期的にリース料金を支払うことで、リース会社が立て替えた商品代を分割返済するイメージです。リース契約の締結後に商品が準備され、利用者の手元に届いてから支払いが始まる点がレンタルと異なります。
レンタルの仕組み
レンタルでは、レンタル会社が保有する商品の在庫の中から利用したいものを選び、レンタル契約を結びます。その後料金の支払いをしてから商品が受け渡されます。リースに比べ短期的な利用に向いていて、煩雑な手続きもありません。
リースとレンタルの違いをまとめて比較
リースとレンタルには、異なる点がいくつかあります。比較表を参考にしながら、順に見ていきましょう。
リース | レンタル | |
契約期間 | 長期(半年~10年など) | 短期(数時間や数日~数ヶ月) |
契約対象 | 利用者の希望したもの | レンタル会社の所有するもの |
中途解約 | 原則不可 | 可能 |
所有権 | リース会社 | レンタル会社 |
保守・修繕義務 | 利用者 | レンタル会社 |
料金体系・費用 | リース物品の価格+利息 (レンタルよりは割安) |
一定のレンタル料金 (短期であるほど割高) |
瑕疵担保責任 | リース会社側は免責 (賠償請求等は利用者から) |
レンタル会社 |
契約期間
レンタルは数時間から数日と短期間であるのに対し、リースは年単位の長期間になることが一般的です。オフィスなどで長期的に利用していくため、高価な物品を導入する際などはリースが最適と言えます。
契約対象
リースでは利用者が希望の商品を選んでリース会社に購入してもらいますが、レンタルではすでにあるレンタル会社の在庫から希望のものを選ぶことになります。
中途解約
契約途中での解約は、レンタルでは認められていますが、リースでは原則不可です。リース契約では、リース会社が物品代金を利用者から回収することが前提となっているためです。
所有権
物品の所有権は、基本的に貸し出す側のリース会社やレンタル会社にあります。しかしリースでは、実質的には利用者側が所有しているとみなされています。これは後述する保守・修繕義務や会計上の処理が利用者に発生することによるもので、利用者による売却や譲渡はもちろん認められません。
保守・修繕義務
レンタルでは、通常の使用によって生じた故障や不具合にはレンタル会社が対応します。一方リースでは、利用者側に保守・修繕義務があるため、メンテナンスや修理費用は利用者が負担する必要があります。
料金体系・費用
レンタルは、1時間や1日といった単位によって一定の料金が設定されており、短期になるほど割高になる傾向があります。リースは物品の価格にリース料率が掛けられ、分割払いとなるので、支払期間や物品の値段によって料金は異なります。
瑕疵担保責任
瑕疵担保責任とは、物品にもともと欠陥があった場合に生じるものです。瑕疵担保責任を負う者はその物品の修繕や、作り手側への損害賠償交渉をしなければなりません。
レンタルではこの責任をレンタル会社が負うのに対し、リース会社は責任を負わないと定められています。そのため、リース物品に何らかの欠陥が見つかった場合、利用者側が直接作り手側へ賠償請求などの交渉を行う必要があります。
法的な取り扱いや会計上の処理はどうなる?
レンタル料金は、会計上の勘定費目としては「賃貸料」になり、損金計上できます。一方リース料金については、ファイナンスリースとオペレーティングリースという2つのタイプによって違いがあります。
ここまでご紹介した一般的なリース、つまり物品にかかった費用を全額支払うファイナンスリースの場合は「リース資産」および「リース債務」として資産計上します。物品の所有権を持つ人から単純に借りるオペレーティングリースの場合は、レンタルの「賃借料」と同じ考え方で「リース料」として損金計上します。
会計上の処理が不安な場合は、会計士や税理士といった専門家や、税務署に相談してみてください。
リースとレンタルのメリット・デメリット
リースとレンタル、それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめます。
リースのメリット・デメリット
リースのメリット
高額な設備や物品を購入したい場合、膨大な初期費用が必要になり、そのための資金を確保するのに苦労するかもしれません。こんな時リースの仕組みを使えば、初期費用を抑えて月額のリース料の支払いのみで設備や物品の利用を始められます。リース料金は変動がなく毎月一定であるためコストの見通しも立てやすく、最新モデルや新品を選ぶことができる点もメリットです。
リースのデメリット
デメリットとしては、中途解約ができない点、保守・修繕義務があるためメンテナンス費用がかかる点などが挙げられます。また、リース料金には保険料や固定資産税、手数料などの諸費用と金利が含まれるため、総額で見ると物品を一括購入するよりも割高になる場合があります。
レンタルのメリット・デメリット
レンタルのメリット
レンタルは、1日や1ヶ月といった短期間だけ物品を使いたい場合に非常に便利なサービスです。中途解約が可能で、ユーザー側に修繕の義務もありません。会計処理や契約の際の手続きも手軽です。
レンタルのデメリット
レンタルは、レンタル会社が保有する物の中から使用したいものを選ぶ仕組みであるため、必然的に物品の選択肢が狭くなるうえ、中古品であることが前提となります。また短期利用を想定した金額設定になっているので、中長期的に利用すると料金が割高になる点もデメリットといえるでしょう。
期間と目的に合わせて最適な方法を選ぼう
オフィスに必要な設備や物品を導入する際、リースとレンタルのどちらが良いのか迷うことがあるかもしれません。契約期間やランニングコスト、会計処理の違いなどを検討して、目的に合った方法を取り入れましょう。
オフィス改善に役立つ豆知識をお届けしているAQレントでは、ワークブースやオフィス家具のレンタルサービスを提供しています。短期で利用したい場合や、購入、リース前に使用感を試してみたい場合もレンタルを推奨します。初期費用や処分の手間が省けて便利にお使いいただけます。