空気中に含まれる水蒸気の割合を、湿度として数値で表すことは一般的ですね。では「相対湿度」と「絶対湿度」という言葉をご存知でしょうか。実は湿度は捉え方の違いによってこの2種類に分けることができます。
今回は湿度について詳しく解説し、さらにオフィスの空気環境を考えるうえでの目安やポイントについてもお伝えします。
「空気」の種類
空気とは、そこに含まれる水蒸気の量によって以下の3種類に分類することができます。
飽和空気
飽和空気は、含むことができる水蒸気量が最大限に達している状態の空気のことです。飽和空気中にさらに水蒸気が増えると、気体から液体へと変わって結露が生じることになります。
湿り空気
湿り空気は、私たちの周りにある一般的な空気のことで、乾いた空気に水蒸気が混じり合った状態のものです。
乾燥空気
乾燥空気とは、空気から水蒸気を完全に取り除いた状態のことです。実在する場面はなく、理論上のものとして考えます。
相対湿度と絶対湿度の違い・計算方法
湿度とは空気中に含まれる水蒸気量を表したものですが、湿度の表し方には「相対湿度」と「絶対湿度」の2種類があります。
相対湿度とは
相対湿度とは、空気中に含むことができる水蒸気の最大量に対して、実際にはどれくらい含まれているのかを割合です。「%」の単位で表示され、私たちが普段の会話で使ったり天気予報で目にしたりする「湿度」はこちらの相対湿度になります。
絶対湿度とは
絶対湿度とは、1立方メートルの空気中に含まれる水蒸気の量です。この水蒸気量の表し方にも種類がありますが、一般的には水蒸気の重さ=密度として「g/㎥(グラム毎立法メートル)」の単位で表します。
湿度と温度の関係性
空気が含むことのできる水蒸気量は、その空気の温度に左右されます。温度が高いほどたくさん水蒸気を含むことができ、反対に温度が低くなると水蒸気の許容量が減ります。
梅雨や夏の暑い時期は、高気温により空気中に含まれる水蒸気量が多くなるため、ジメジメとまとわりつくような暑さを感じるのです。一方で冬場は基本的に湿度が低く空気が乾燥しているので、汗が蒸発しやすくなり涼しく(肌寒く)感じるようになります。
場所によっても湿度は変化する?
ひとつの部屋の中の空気について考える場合でも、その部屋のどこを調べるかによって湿度の数値は変わります。暖かい空気は上に、冷たい空気は下にたまる性質があるため、天井や床付近、窓のそばなど、場所によって気温差が生じることにより、湿度にもばらつきが出るのです。
オフィスの湿度と温度の目安
厚生労働省が定める空気環境の基準として、居室内は「室温18℃以上28℃以下、相対湿度40%以上70%以下」に保つべきとされています。この範囲を超えて気温や湿度が高すぎる、低すぎるといった状態になると、快適さが損なわれて仕事に集中しづらくなります。
さらに多湿によるカビやダニの繁殖、乾燥によるウイルスの活性化など、健康被害のリスクにもなりかねません。オフィス内の湿度は、エアコンなどの空調設備を使ってしっかりと管理することが重要です。
快適なオフィスにするための湿度調整のコツ
オフィスで働く従業員にとって快適な空気環境をつくるためには、具体的にどのような方法を取ればよいのでしょうか。いくつかポイントをご紹介します。
換気をする
エアコンがしっかり効いた状態を保つため、窓を閉めっぱなしにしているオフィスもあるかもしれません。しかし衛生面から考えると、窓を開けてしっかり換気を行うことが大切です。外気を取り入れることで湿度が快適に保たれ、ウイルス蔓延防止にもなります。
サーキュレーターや扇風機を使う
エアコンなどで冷暖房をしっかり稼働させている場合でも、部分的に暑い、寒い場所ができてしまうことがあります。サーキュレーターや扇風機で部屋全体の空気を循環させ、温度と湿度を一定に保つことで、オフィス内の従業員全員にとって快適な環境づくりができます。エアコンも扇風機も、誰かの身体に直接風が当たらないよう配慮してください。
除湿機を設置する
エアコンや空調設備がしっかりしているオフィスでも、細かい湿度管理までは難しい場合があります。夏場は特に、除湿機を設置して湿度管理を徹底することで体感温度を下げ、仕事に集中できる環境を目指しましょう。
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加湿器を設置する
冬場のオフィス内は、気温を上げようと暖房運転をすることで空気が乾燥しがちです。加湿器を設置して部屋をしっかり加湿できれば、体感温度が上がり、喉や肌の乾燥を防いで風邪をひきにくくする効果もあります。
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梅雨の湿気や冬の乾燥は空調家電を活用しよう
1日の大半を過ごすオフィスの環境は、なるべく整っていて欲しいものですね。従業員の体調管理やウイルスの蔓延防止を考えるうえでも、企業は社内の温度・湿度管理をしっかりして快適な空気環境づくりに努めなければなりません。今回ご紹介した湿度の目安や対策についても参考にしながら、オフィス環境を見直してみてはいかがでしょうか。
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