オフィスづくり

職場におけるパーソナルスペースとは? 職人間関係構築や仕事・会社のレイアウトへの活用法と注意点

パーソナルスペースの職場への活用法と注意点

「パーソナルスペース」という言葉をご存じでしょうか。多くの人と関わりながら社会生活を送る上で、パーソナルスペースを上手に意識して適切な距離を保つことは、仕事の生産性向上やトラブル回避に有効です。昨今は感染対策としてソーシャルディスタンスという言葉も流行するなど、人との距離に注目が集まっています。

今回は、パーソナルスペースとは? といった基本的なことから、パーソナルスペースと仕事の関係性や、職場での集中力を高めるパーソナルスペースの活用方法、パーソナルスペースで把握しておくべき注意点について解説します。生産性の向上を図りたいと考えている会社の方や、職場での人間関係を円滑にしたい人は、ぜひ当記事を参考にしてください。

パーソナルスペースとは

まずは「パーソナルスペース」という言葉について解説します。日常の生活の中で、人との距離が近くてストレスを感じたり不快に思ったりした経験はないでしょうか。

パーソナルスペースとは、他者が侵入すると不快な気持ちがする空間や距離のことで、その空間の広さは、個人によって異なります。

4つの種類に分かれるパーソナルスペース

パーソナルスペースは、「密接距離・個体距離・社会距離・公衆距離」の4つの区分に分かれています。この区分は、アメリカの文化人類学者 エドワード・T・ホールによって1966年に提唱されたものです。それぞれの距離について、詳しくみてみましょう。

密接距離

密接距離とは、親密距離とも呼ばれ、相手との距離が45cmまでのゾーンのことです。会話だけではなく、手を伸ばせばすぐにスキンシップができる距離のため、恋人や家族といった親しい間柄の人との距離です。あまり親しくない人が密接距離に侵入すると相手に強い不快感を与えるので注意が必要です。

個体距離

個体距離とは、45~120cmまでの距離で、友人や同僚などが入れるゾーンです。一緒に会話をしたり、並んで座ったりが可能になる距離感です。ただし同性と違い、異性がこの個人距離に入ってしまうと警戒されるかもしれない点は注意が必要でしょう。

社会距離

社会距離とは、120~350cmまでの距離で、職場の同僚や取引先相手との適切な距離と言われています。テーブル越しの会話ができる距離感であるため、商談や面接の際はこの距離を目安にしましょう。距離が比較的離れているため、パーソナルスペースが広い相手と接する際にも問題なく接しやすい距離感といえます。

公衆距離

公衆距離とは、4つの区分の中で最も離れた350cm以上のゾーンのことで、個人的な繋がりのない他人同士の距離です。演説や講演会といった、多数の人が集まるときの距離感だと考えられています。

見ず知らずの相手と接しても不安を感じにくい距離のため、路上や交通機関など公共の場所ではこの公衆距離を保っていればお互いにストレスを感じにくいといえます。距離が離れすぎているため、個人同士のやり取りには適していません。

詳しくはコチラ

パーソナルスペースを意識すべき理由

パーソナルスペースについて理解ができたところで、なぜ仕事や人間関係でパーソナルスペースを意識した方が良いのかその理由について解説していきます。

人は、パーソナルスペースを侵されるとストレスを感じます。円滑な人間関係を築くためには、適切な距離を保って接することが必要です。仕事上においても、職場でパーソナルスペースを侵害された状況ではストレスによって生産性の低下につながります。また、取引や商談もうまくいかなくなる可能性もあるため注意が必要です。

さらに現代では、距離感を一歩間違えればハラスメントと判断される場合もあります。仕事とプライベートなどの違いも考え、良好な人間関係を築けるようにしましょう。

人によって異なるパーソナルスペースの違い

ここでは、大まかに性別・年齢・国民性によるパーソナルスペースの違いをみていきます。ただし個人差があるものなので、すべて当てはまるというわけではありません。

性別

まずは男女による違いを解説します。男性は、狩猟本能によるものなのか、前方に広く警戒できるようなパーソナルスペースをもっているとされています。前に広く、後ろに狭い楕円形のようになっているため、警戒が強くない横方向から話しかけるとスムーズに話すことができます。

対して女性は、子を守る本能からか前後左右均等に正円状のパーソナルスペースをもつとされています。そのため、適切な距離を保って話しかけることが大切です。女性の方が男性よりパーソナルスペースは狭いと言われていますが、同性間か異性間かによってもこの広さは変化するため注意しましょう。

年齢

一般的に、年齢が低いほどパーソナルスペーススペースは狭いと言われています。赤ちゃんや子供は警戒心よりも興味や関心が優先されるため、あまりパーソナルスペースがありません。

第二次性徴がピークになる12歳ごろからパーソナルスペースを意識し始め、年齢とともに広がっていきます。そして、40歳ごろをピークに低下していくと言われています。

国民性

パーソナルスペースは、文化圏や国民性によっても違いがみられます。中国やインドのような人口密度の高い国では、人との距離が近いためパーソナルスペースは狭い傾向にあります。反対に、北欧などではパーソナルスペースは非常に広くなっていて、これはシャイな国民性が影響していると考えられています。

スキンシップを取る文化かどうかもパーソナルスペースに影響するので、日本は比較的パーソナルスペースは広いといわれています。しかし、満員電車のような近い距離感に慣れていることや住居や土地が狭いため、北欧ほどは広くないようです。

職場でのパーソナルスペースの活用方法

続いて、生産性を向上させて職場の人間関係を円滑にするために、会社でのパーソナルスペースの活用方法について紹介していきます。これまで解説してきたパーソナルスペースの特徴を考慮し、その性質を利用することでうまく活用していくことができます。

パーソナルスペースを無視したオフィス作りをしてしまうと従業員のモチベーションの低下や離職にもつながりかねないため、ぜひ参考にしてください。

仕事への活用

パーソナルスペースを理解すると、仕事でもさまざまな場面で活用することができます。たとえば、リーダーシップを発揮したい時には、パーソナルスペースを広くとるようにしましょう。距離を保つことで、注目され、リーダーと認識されやすいという効果があります。

反対に、部下との距離を縮めたい時などにはパーソナルスペースを狭くし、隣に座るようにしましょう。円卓を活用すると、相手のパーソナルスペースを守ったうえで自然と距離を縮めて隣に座ることができます。商談を成功させたい時は、相手と親密になれる距離まで近づくのも有効です(これらの距離は状況や個人によっても大きく異なるため、あくまで目安とお考えください)。

オフィスレイアウトへの活用

パーソナルスペースを意識したオフィスレイアウトになっていると、社員は仕事に集中することができます。社員同士のパーソナルスペースを確保するために、座席の間隔は社会距離の下限である120cm以上開けることが望ましいでしょう。もし会社のスペースの関係上距離をとることが難しい場合は、パーテーションのような仕切りの導入がおすすめです。

また、部署やプロジェクトメンバーの親密度を上げるために、コミュニケーションスペースなどは円卓を配置すると会話もはずむでしょう。

詳しくはコチラ

会社でのパーソナルスペースの注意点

最後に、職場でのパーソナルスペースの注意点について解説します。パーソナルスペースは、個人によって違うものであり、また相手との立場や状況によっても変化するものです。常に同じ距離をとるのではなく、相談をするとき、フォーマルな会議、歓迎会といったシチュエーションごとに適切な距離を使い分けるようにしましょう。

同僚、異性、上司と部下といった人間関係の立場などによっても、それぞれ最適なパーソナルスペースを意識したコミュニケーションを心がけると仕事がスムーズになります。

職場でパーソナルスペースを確保するならブース導入もおすすめ

社員のパーソナルスペースを確保してストレスを軽減しつつ、集中力を高め生産性をあげるには、ブースの導入もおすすめです。ブースであれば自分だけの独立したスペースを持てるため、他人との距離を気にする必要がありません。また、相手のパーソナルスペースを侵害する心配もないので、仕事に集中して取り組むことが可能です。

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職場で適度な人間関係を築くためにも必要なパーソナルスペース

今回は職場におけるパーソナルスペースについて説明してきました。職場の環境づくりといえばデスクまわりの整理術や感染症対策、空調といった直接的な対策ばかり意識しがちですが、人の心理に関連する「距離感」を意識することも大切です。ぜひ今回ご紹介したパーソナルスペースについての活用法や注意点を参考に、快適な職場環境の構築を試してみてください。

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